イギリスの海洋生物学者Dr Luke Helmerの活動が紹介されています。
地元ソレント海峡に住む在来生の牡蠣を復活させるための大規模なプロジェクトで、今回なんと10,000匹以上の牡蠣(ヨーロッパヒラガキ)が導入されます。
かつてソレント海峡は豊かな生物多様性がありましたが、過剰な漁獲や汚染などにより生息地が減り牡蠣の個体数は95%以上も減少しました。
牡蠣は「海の肝臓」とも呼ばれ、1日最大200リットルもの海水を濾過し、水質浄化に貢献しています。
また複雑な形状は多様な海洋生物の生息地ともなる、海の生態系を支える重要な役割を果たしています。
今回新たに別の川から採取された牡蠣を導入されることになりました。
導入にあたり、ボランティア170人以上により3日間かけて殻に付着した汚れや寄生虫を除去し、15分以上の塩素浴が実施されました。
このプロジェクトの目的は牡蠣の復活だけでなく、海洋生態系の復活を目指しています。
実際にプロジェクト開始以来、約130種の海洋生物がソ連と海峡に戻ってきており牡蠣の復活が生物多様性の回復に寄与している事が示されています。
ボランティアの一人であるルーク・ハートさんは、「このようなプロジェクトを通じて、社会が海洋環境に与えている影響の重大さを理解し、行動を起こすきっかけになることを願っています」と語っています。
牡蠣は生態系の維持だけでなく日本人の食事としても古くから親しまれていました。
総務省の発表によると2021年の牡蠣生産量は世界で第4位(188万トン)と世界でも有数の生産国と言えます。
そして生産した牡蠣のほぼ全てを国内で消費量しており、その量は世界第2位(187.9万トン)です。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/tizai/brand/attach/pdf/kaigai_license-12.pdf
大阪湾でも牡蠣の養殖が行われています。
海と日本プロジェクトin大阪では下荘漁港へ取材を行いした。
こちらは組合に所属する漁師達が、漁に出られなくても安定して収入を得られるように始められた取り組みです。
水揚げされる牡蠣は見た目が小ぶりながらも中身がぎっしり詰まっており、食べ応え抜群です。
海にとって重要な牡蠣、大切にしたいですね。